この事例の依頼主
女性
相談前の状況
依頼者様(妻)のお子様は、私大医学部に進学する予定でいましたが、相手方(夫)は学費の支払いを拒否していました。このままでは、医師になるというお子様の夢が潰える可能性があり、お子様も依頼者様も大きな不安を抱えていました。
解決への流れ
依頼者様を代理し、夫に対して、お子様の私大医学部の学費を含む婚姻費用(生活費)の支払いを求める調停を家庭裁判所に提起しました(学費については夫婦の収入割合で按分した額のうち夫負担分を請求しました)。調停でも夫側は支払いを拒否しましたが、当方の積極的な主張立証により、家庭裁判所は、夫に対して、お子様の私大医学部の学費を含む婚姻費用の支払いを命じる審判を出しました。夫は高等裁判所に即時抗告しましたが、高等裁判所でも私大医学部の学費を含む婚姻費用の支払いを命じる決定が出ました。決定は確定し、お子様は、経済的不安を抱くことなく、私大医学部で勉強に励んでいます。
私大医学部の学費は非常に高額であり、婚姻費用や養育費の請求において、夫側が支払いを拒否することは珍しくありません。医師の家系では、私大医学部の学費の支払いが認められるケースも見られますが、本件は、夫婦ともに医師ではなく、当方の請求が通らない可能性も十分にありました。しかし、弁護士において、従前の経緯や夫側の収入、資産等の状況を詳細に調査し、合理的な主張立証をすることにより、家庭裁判所と高等裁判所において、私大医学部の学費の支払いを夫に命じる審判、決定を獲得することができました。