この事例の依頼主
40代 女性
依頼者(40代女性・主婦)は、夫(40代男性・会社役員)の行動に不審な点を感じ、調査したところ、夫が同じ会社の部下の女性(相手方女性)と長期間(約5年間)にわたり不倫関係(不貞行為)を続けていたことが発覚しました。さらに衝撃的なことに、相手方女性が夫との間に子を妊娠し、既に出産していた事実も判明しました。この事実は依頼者に計り知れない精神的苦痛を与え、平穏だった家庭生活は完全に崩壊し、夫との婚姻関係を継続することは不可能であると判断し、離婚及び相手方女性への慰謝料請求を決意されました。依頼者は、相手方女性に対し、裏切り行為の責任を取ってほしい、筆舌に尽くしがたい精神的苦痛に対する償いを求めたいと強く考えていましたが、具体的にいくら請求できるのか、どのように請求すればよいのか分かりませんでした。また、相手方女性は当初、「夫に誘われた」「自分も被害者だ」などと責任を回避するような態度を見せており、話し合いでの解決は困難と感じられました。このままでは泣き寝入りになってしまうのではないかと、深い悲しみと怒りの中で当事務所にご相談に来られました。
ご相談を受けた当事務所は、まず依頼者のお話を丁寧に伺い、その甚大な精神的苦痛に寄り添いながら、法的な対応策を検討しました。本件は、①不貞行為の期間が5年と長期に及ぶこと、②相手方女性が子を出産していること、という極めて悪質性の高いケースであると判断しました。これらの要素は、慰謝料の金額を算定する上でも増額事由となります。当事務所としては、相場よりも高額の慰謝料獲得を目標とし、以下の活動を行いました。・証拠の収集・精査: 依頼者がお持ちだった証拠(メールのやり取り、写真、夫の自白など)を精査し、不貞行為の期間、頻度、子の出生の事実などを客観的に証明するための証拠を固めました。・内容証明郵便による請求: 弁護士は依頼者の代理人として、相手方女性に対し、慰謝料400万円を請求する内容証明郵便を送付しました。書面では、収集した証拠に基づき、長期にわたる不貞行為及び子の出生という事実を具体的に指摘し、それがいかに依頼者の精神を深く傷つけ、婚姻関係を破綻に至らしめたかを明確に主張しました。・交渉(及び訴訟準備): 相手方女性が依頼した代理人弁護士から応答があったため、交渉を開始しました。相手方は当初、金額の減額を求めてきましたが、当事務所の弁護士は、本件の悪質性の高さ、裁判になった場合に高額な慰謝料が認められる可能性が高いことなどを根拠に、毅然とした態度で400万円の支払いを求め続けました。同時に、交渉が決裂した場合に備え、民事訴訟(慰謝料請求訴訟)を提起する準備も進めました。・訴訟提起と和解: 交渉での大幅な譲歩が見られなかったため、地方裁判所に相手方女性を被告として慰謝料請求訴訟を提起しました。訴訟では、準備していた証拠を提出し、依頼者の受けた精神的苦痛がいかに甚大であるかを具体的に主張しました。裁判所も本件の悪質性を重く見て、相手方に対し和解を勧告しました。その結果、裁判上の和解という形で、相手方女性が依頼者に対し慰謝料300万円を支払う内容で合意が成立しました。最終的に、依頼者は相手方女性から慰謝料300万円全額の支払いを受けることができ、大きな精神的苦痛に対する一定の償いを得ることができました。
本件のように、悪質な不倫に対する慰謝料請求において弁護士に依頼することには、証拠の収集や適切な損害賠償金額の算定、法的な根拠に基づいた交渉の実施と、裁判対応を受けられるメリットがあります。配偶者の不倫、特に悪質なケースでお悩みの方は、決して一人で抱え込まず、まずは弁護士にご相談ください。あなたの受けた甚大な精神的苦痛に対し、正当な慰謝料請求を実現するために、専門家として全力でサポートいたします。