犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料 . #不倫・浮気

ダブル不倫の慰謝料請求、双方『支払いゼロ』で解決した事例

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磯田 直也 弁護士が解決
所属事務所ルーセント法律事務所
所在地兵庫県 宝塚市

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

依頼者(40代男性・会社員)は、同じ職場に勤務する既婚女性(相手方女性)と不倫関係(不貞行為)になりました。依頼者自身も既婚者であり、いわゆるダブル不倫の状態でした。ある日、相手方女性の夫(相手方)に不倫の事実が発覚しました。相手方は激怒し、弁護士を通じて依頼者に対し、「不貞行為により婚姻関係が破綻寸前となり、甚大な精神的苦痛を受けた」として、慰謝料250万円を請求する通知書を送付してきました。依頼者は、不倫の事実を認めており、相手方に対して道義的な責任を感じてはいました。しかし、相手方からの請求額が妥当なのか分からず、また、相手方女性も既婚者であり、自分の妻もまた相手方女性に対して慰謝料を請求できる立場にある(つまり、お互いの配偶者が慰謝料を請求し合う可能性がある)という複雑な状況をどう解決すればよいか悩んでいました。下手に支払いに応じると、かえって事態が複雑化するのではないか、一方で無視すれば訴訟を起こされるのではないかと不安になり、当事務所にご相談に来られました。

解決への流れ

ご相談を受けた当事務所は、まず依頼者から事実関係を詳細に聴取し、ダブル不倫の状況と、相手方からの請求内容を確認しました。依頼者が相手方(不倫相手の夫)に対して法的な慰謝料支払義務を負う可能性がある一方で、依頼者の妻もまた、相手方女性(依頼者の不倫相手)に対して同様に慰謝料請求権を持っているという点が指摘できました。この状況を踏まえ、当事務所ではゼロ和解を目指して、相手方弁護士と交渉を開始しました。相手方弁護士には、依頼者が責任を感じていることを伝えつつも、本件がダブル不倫の事案であることを指摘しました。また、「本件については、お互いに慰謝料の支払いは求めず、金銭的な解決はゼロとし、その代わりに関係を完全に解消し、今後一切接触しないことを相互に約束するという形での和解(示談)としてはどうか」と具体的に提案しました。これは、双方にとって、本件についてこれ以上時間、費用、精神的なエネルギーを浪費することを避けるための、現実的な解決策です。相手方にも、ダブル不倫の状況下で訴訟を続けることの不毛さやリスク(自身の配偶者が逆に訴えられるリスク)を理解していただくことができ、最終的に当事務所の提案に応じていただくことができました。依頼者は当初250万円もの慰謝料を請求されていましたが、最終的に1円も支払うことなく、かつ、相手方女性との接触禁止という条件も付けて、本件を完全に解決することができました。複雑な四者関係に発展する可能性のあった紛争を、早期かつ穏便に終結させることができました。

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磯田 直也 弁護士からのコメント

ダブル不倫の慰謝料請求の事案では、通常の不倫の事案よりも関係者が多く利害の調整に苦労する場面も少なくありません。たとえば、当事者が同じ職場に勤務していることも多く、異動や退職の要求が出ることもあります。請求された側も、請求する側(の配偶者)も、安易に対応せず、まずは不倫問題・男女問題に詳しい弁護士にご相談ください。状況を整理し、最善の解決策を導き出すお手伝いをいたします。