13680.jpg
仕事が遅くて「ダラダラ残業」そんな社員が「残業代」もらうのはオカシクないか?
2014年07月06日 10時53分

毎日のように、遅くまで残業をしているが、本来なら定時で帰れるはずの仕事量。意図的に「ダラダラ残業」をしているようにしか見えない。あなたの職場にそんな同僚はいないだろうか。

インターネットのQ&Aサイトにも、「同じ部署の先輩の仕事が遅い」という声がある。投稿者によると、その先輩は時間内に仕事が終わらず、残業することが多いという。「自分の方が仕事量が多いのに、残業代の分、先輩の方が給与は多い」「損をしているようで、やる気を失う」と不満を募らせている。

このように、仕事が遅くて、定時までに仕事を終わらせることのできない従業員に対しても、会社側は残業代を支払わなければならないのだろうか。労働法にくわしい原英彰弁護士に聞いた。

毎日のように、遅くまで残業をしているが、本来なら定時で帰れるはずの仕事量。意図的に「ダラダラ残業」をしているようにしか見えない。あなたの職場にそんな同僚はいないだろうか。

インターネットのQ&Aサイトにも、「同じ部署の先輩の仕事が遅い」という声がある。投稿者によると、その先輩は時間内に仕事が終わらず、残業することが多いという。「自分の方が仕事量が多いのに、残業代の分、先輩の方が給与は多い」「損をしているようで、やる気を失う」と不満を募らせている。

このように、仕事が遅くて、定時までに仕事を終わらせることのできない従業員に対しても、会社側は残業代を支払わなければならないのだろうか。労働法にくわしい原英彰弁護士に聞いた。

●「勝手に残業」なら支払わなくてもいいが・・・

「その人が、会社の命令もないのに『勝手に残業』しているのであれば、残業代を支払う必要はありません。しかし、会社の指揮命令を受けて残業しているなら、残業代を支払わなければなりません。

残業代を支払わなければいけないかどうかのポイントは、『その残業が会社の指揮命令に基づくものであるかどうか』です」

原弁護士はこう話す。すると、残業代がもらえるのは、明確に会社から「残業しなさい」と言われた時だけなのだろうか?

「いいえ、そうではありません。指揮命令には『黙示』のものも含まれます。会社が、その人が残業するのを黙認していたのであれば、それは『黙示の命令』にあたる可能性が高くなります」

●「残業を禁止」するしかない?

そうなると、「仕事が遅い人には残業代を支払わない」というルールにはできないのだろうか?

「そもそも労働基準法は、残業が生じた理由を問題にしていません。法定の労働時間を超えた労働がある場合は、キチンと残業代を支払うよう定めているのです。もし、会社が、『仕事が遅い従業員に残業代を払いたくない』というのであれば、その従業員に『残業禁止命令』を出して、定時で帰らせることを検討するしかないでしょう。

しかし、この場合は、終わっていない仕事を他の人が処理しなければならなくなります。残業時間の偏りが出るという問題が残りますね」

原弁護士はこのように指摘していた。

こうした「不公平感」をどうやって解決するのか。そのあたりが、まさに会社側の腕の見せ所だろう。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る