年末のお楽しみ「年ジャンボ宝くじ」の抽選が12月31日、おこなわれました。当たった人も、当たらなかった人も、大きな夢を見て年末をお過ごしだったことと思います。
もし当たっていたら、家族や恋人に当たりくじをプレゼントしたいと思う人もいるかもしれません。あるいは、他の人に売ってみようと考える人もいるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。宝くじは法律によってその取り扱いが決められています。うっかり違法行為にならないよう、気をつけてください。
●「宝くじ」の法律は?
宝くじは、昭和20(1945)年から始まりました。「当せん金付証票法」という法律があり、宝くじについてさまざまな規定が定められています(ですので、宝くじの法的な名称は、「当せん金付証票」となっています)。
「当せん金付証票法」はその目的を次のように定めています。
「第1条 この法律は、経済の現状に即応して、当分の間、当せん金付証票の発売により、浮動購買力を吸収し、もつて地方財政資金の調達に資することを目的とする。」
つまり、その収益は、発売元である地方自治体や都市に納められ、公共事業にあてられてきました。宝くじを販売できるのは都道府県と20の指定都市のみです。一般の個人や会社が販売することは、刑法187条で禁止されています。
なお、「当せん金付証票法」(5条2項)によって、当選金の最高金額も規定があります。
「一当せん金付証票の当せん金品の最高の金額又は価格は、証票金額の50万倍に相当する額を超えてはならない。ただし、総務大臣が当せん金付証票に関する世論の動向等を勘案して指定する当せん金付証票については、一当せん金付証票の当せん金品の最高の金額又は価格は、証票金額の250万倍(総務大臣の指定する当せん金付証票が加算型当せん金付証票である場合で加算金のあるときにあつては、500万倍)に相当する額を超えない範囲の額とすることができる」
これにより、年末ジャンボ宝くじの当選金額は1等は7億円と前後賞はそれぞれ1億5000万円で合計10億円となっていますが、法で定められた範囲内ということになります。
●転売すると刑罰が科せられる可能性も
では、宝くじをプレゼントしたり、転売することは違法ではないのでしょうか。
当選前の宝くじをプレゼントすることは認められています。ゲームの賞品にしたり、数字を選べる数字選択式宝くじは、誕生日プレゼントにもされています。
当たりくじについては、当選の権利は第三者への譲渡を禁止されています。
なお、宝くじの当選金には所得税がかかりません(当せん金付証票法13条)が、家族と分け合ったりすると、贈与税がかかる場合があります。
注意が必要なのは、宝くじの転売です。たとえ抽選前だとしても転売は違法になります。刑法187条2項により、転売した人は1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科されるので、よく注意してください。
ただし、ハズレの宝くじについては、転売可能なようです。もっとも、買ってくれる人がいるかわかりませんが…。